内装工事とは? 依頼する前に知っておきたい基本知識、メリットや工事を行うタイミングについてわかりやすく解説!

建物の中を一新してきれいにしたい、もっと快適な空間にしたいと考えた時におすすめなのが「内装工事」です。
しかし、初めての方にとっては「どんな工事ができるの?」と疑問に思うことも多いでしょう。
この記事では、内装工事の基本的な知識や、実際にどのような工事ができるのかをわかりやすく解説します。
目次
そもそも「内装工事」って、なに?
内装工事は、建物の内部を使いやすくしたり、美しく整えるための工事です。
建築工事が建物を一から作るのに対して、内装工事はすでに建てられた建物の内部を仕上げるものです。
この工事は、新しい建物を建てるときだけでなく、古い建物を改装したりリフォームしたりする時にもおこないます。
具体的には、間仕切りを設置したり、床や壁、天井をきれいにしたり、ドアや窓を取り付けたりします。また、デザインや使いやすさを良くするだけでなく、断熱性や耐震性を高めて、より機能的にすることもできます。
こうすることで、建物を使う人々の希望に合わせた快適な空間ができ、建物の価値も高めることができます。
内装工事と設備工事は一緒におこなわれる?
内装工事は、一般的に建物の床、壁、天井をきれいに仕上げる工事のことを指しますが、店舗の内装工事では設備工事も含まれることがあります。
とくに店舗を新しく開く時や改装する時には、電気や水道、ガスなどの設備工事も一緒におこなわれることが多く、その場合、これらもまとめて「内装工事」と呼ばれています。
このように、内装工事にはデザインに関する部分だけでなく、設備工事も含まれていることがあるため、内装工事の内容はとても広い範囲にわたります。
内装工事でできること
ここからは、内装工事で対応できる代表的な工事内容を紹介していきます。
軽鉄工事(LGS工事)

軽鉄工事は、軽量鉄骨を使って壁や間仕切り、天井などの骨組みを作る工事です。別名「軽天工事」や「LGS工事」とも呼ばれます。
軽量鉄骨はその名の通り軽い素材で、加工が簡単なので工事が早く進むのが特徴です。また、木材よりも建物全体が軽くなるため、地震のリスクを減らすことができます。
軽鉄工事は、次に紹介するボード工事と一緒に行われることがおおいです。これは、軽鉄で骨組みを作った後、石膏ボードなどの仕上げ材を取り付けるため、効率よく作業が進むからです。
ボード工事

ボード工事は、壁や間仕切り、天井の骨組みに「ボード」と呼ばれる板を取り付ける工事です。
これにより壁や天井などの内装が形作られ、その後にクロスを貼ったり、塗装したりするための準備が整います。
使われるボードは「石膏」を主成分として作られたものが一般的ですが、部屋や店舗の用途に合わせて、特別な機能を持ったボードを使うこともあります。
たとえば、防音性の高いボードを使って音楽スタジオを作ったり、防火性能を持つボードを使って、火事を防ぎやすい部屋を作ったりすることがあります。
左官工事

左官工事は、コテを使ってモルタルや漆喰、珪藻土などを塗り固め、最終的な表面を整える工事です。これにより、壁や床、天井が仕上げられますが、下地作りの際にも大切な役割があります。
たとえば、クロスやタイルを貼る前に、凹凸をきれいに整えるために左官工事が行われることがあります。またこの際に、ボードの隙間をしっかり埋めることで、ひび割れを防ぎ、次の仕上げ作業がスムーズに進むようになります。
仕上げ工事(天井・壁・床)

仕上げ工事は、建物の天井・壁・床などの内部空間を完成させるための工事です。
天井の仕上げでは、ボードの上に塗装を施したり、クロス(壁紙)を貼ったりして見た目や機能を整えます。
一般的にはクロスを使用することが多いですが、塗装や左官仕上げ、板張りなどを利用して、空間の雰囲気を作り出すこともあります。
壁の仕上げも同様に、クロスや塗装などを使用して、見た目と機能を整えます。部屋の用途やデザインに合わせて素材や仕上げ方法を選ぶことが一般的です。
床仕上げでは、フローリングやカーペットを使用することが一般的ですが、タイルやクッションフロアなど、耐久性や機能性を重視した素材を選ぶこともあります。
これらの工事は、表面だけでなく、ボード工事などの基礎作業も含めて「仕上げ工事」と呼ばれることがあります。仕上げ工事は、最終的な見た目に大きな影響を与えます。
間仕切り工事

間仕切り工事は、部屋のスペースを分けるために壁や仕切りを作る工事です。部屋の使い方やデザインを変えたいときに行われることが多いです。
この工事では、軽鉄や木材を使って骨組みを作り、その上にボードやパネルを取り付けることが一般的です。また、用途に合わせてスペースを有効に使うため、可動式のパーテーションタイプの仕切りを取り付けることもできます。
クロス工事

クロス工事は、部屋の壁や天井にクロス(壁紙)を貼る工事です。前述した天井や壁、床の仕上げ工事の一部として行われます。
クロス工事は、壁をきれいに見せるだけでなく、汚れや傷から守るためにクロスを貼り替えることもよくあります。この場合、下地を整える作業が必要になることもあります。
建具工事

建具工事は、ドアや窓、収納の扉などの建具を取り付ける工事です。
一般的には、内装仕上げ工事と同時に行われます。ただし、改装などで新しい建具を取り付ける場合は、先に骨組みやボードの工事をして、適切な枠を作った後に建具を取り付けます。
建具は、扉や窓がスムーズに開け閉めできて、長持ちすることが大切です。そのため、取り付ける際には開閉具合や隙間を調整する必要があります。
家具取り付け工事

家具取り付け工事は、部屋の内装にぴったり合った家具や収納を設置する工事です。
部屋の柱の間の寸法や、床から天井までの高さに合わせて、オーダーメイドの家具を作ったり取り付けたりします。
塗装工事

塗装工事は、建物の内外の表面に塗料を塗って仕上げる作業です。これにより、建物の見た目をきれいに保ち、耐久性を高めたり、室内の壁や天井の見た目を整えたりします。
塗装には、インテリアや防水などさまざまな目的があるため、それぞれの用途や素材に合った塗料を使います。
内装工事を手がける業者が屋根や外壁の塗装も一貫して対応できる場合もあるので、工期を短縮したり、トータルでの仕上がりに一貫性を持たせることができます。
補修工事

内装工事における補修工事とは、傷や汚れ、ひび割れなどができた壁や床、天井を修理する工事のことです。
建物を使っているうちに、壁紙が剥がれたり、床に傷がついたり、天井にひびが入ることがあります。これらを直すために補修工事が必要になります。
補修工事では、まず問題の原因を調べて、必要なら下地を整えます。その後、壁紙や塗料、タイルなどを使って修復し、元の状態に戻します。
設備工事
内装工事の設備工事とは、建物が問題なく使えるように新しい設備を取り付けたり、今ある設備の場所を変えたりする工事のことです。
たとえば、設備工事には次のような種類があります。
⚫︎電気工事:照明やコンセントを新しく取り付けたり、部屋の仕切りや家具の配置に合わせて場所を変更する工事
⚫︎ガス工事:厨房の設備や給湯器を新しく設置したり、設備の配置変更に合わせてガスの配管を移動する工事
⚫︎給排水設備工事:トイレやキッチンを新しく設置したり、場所を変えるために給水や排水の配管を設置・移動する工事
⚫︎空調設備工事:エアコンや換気設備を取り付けたり、部屋のレイアウトに合わせて設置場所を調整する工事です。
⚫︎通信設備工事:インターネット機器やLAN配線を新しく設置したり、オフィスのレイアウトに合わせて場所を移動する工事
⚫︎防犯設備工事:防犯カメラやセキュリティシステムを新しく取り付けたり、設置場所を調整する工事
内装工事をおこなうメリットは?

ここからは、内装工事を行うことでどんなメリットがあるのかを紹介します。
メリット1. 空間がもっと使いやすくなる
部屋やお店のレイアウトを見直して、より使いやすい空間に変えることができます。たとえば、間仕切りをつけることで作業スペースをしっかり分けたり、コンセントや照明の位置を変えて便利にすることができます。
とくにオフィスやお店では、人が通る動きや流れ(動線)を工夫することで、仕事中の移動がスムーズになり、作業の効率が上がります。
また、お店ではお客さんが目当ての商品やサービスを見つけやすくなり、購入につながるチャンスも増えます。
さらに、空間が快適になると、そこを利用する人の集中力が高まったり、気分が良くなったりして、より快適な環境で過ごせるようになります。
メリット2. 快適で過ごしやすい空間になる
室内の温度や音の問題を改善し、毎日を過ごしやすい環境に変えられます。
たとえば、壁や床に断熱材を入れると、冬は部屋が暖かくなり、夏は涼しく保たれます。エアコンの効きも良くなるため、光熱費の節約にもつながります。
遮音性を高める工事を行えば、外の騒音や隣の部屋の音が気になりにくくなります。静かで落ち着いた空間ができあがるので、勉強や仕事にも集中しやすくなるでしょう。
間取りや間仕切りを見直すことで空気の流れが良くなり、風通しのいい快適な空間が生まれます。
毎日過ごす自宅やオフィスでは、こうした工事が生活の質や作業の効率を大きく高めるポイントになります。
メリット3. 安全に過ごせるようになる
古い内装では、床や壁が傷んだり、設備が壊れていたりすることがあります。これが原因で、転倒や火災などの事故が起こるリスクが高くなります。
耐震性を高める骨組みの工事を行ったり、傷んだ部分を修理することで、万が一の時に備えることができます。
また、内装工事を通じて建物が安全基準に合った状態になるため、長い間安心して使える空間になります。とくに、古くなった建物ではこうした工事は重要になります。
メリット4. 便利な設備や機能を追加できる
古くなった設備を新しいものに交換したり、新しい設備を取り入れることで、生活がもっと便利になるのも内装工事のメリットのひとつです。
たとえば、照明をLEDに変えることで電気代を節約できたり、Wi-Fi環境を整えることでインターネットをもっと快適に使えるようになります。
このように、現代の生活にぴったり合った環境を作るためにも、内装工事はとても有効です。
メリット5. 見た目が良くなる
古くなった内装を新しくすることで、部屋やお店の印象がガラッと変わり、見た目がきれいで清潔になります。
とくに企業やお店では、自分たちのブランドに合ったデザインにすることで、お客様に良い印象を与えることができます。
通りすがりの人が興味を持って入店しやすくなったり、清潔で快適な空間を提供することで、お客様が安心して長時間過ごすことができるようになります。
メリット6. 建物の価値が上がる
内装がきれいで使いやすい空間は、建物の価値を高めます。
とくに賃貸物件やお店では、内装を一新することで、入居したい人や利用したい人に選ばれやすくなり、収入が増えることにつながります。
投資物件でも、内装工事をすることで、建物の価値を保ち、さらに高めることができます。
どんな時に内装工事をするの?

内装工事は、新しい建物を作るときには必ずおこなわれます。
ただし、新築以外にも、リノベーションや店舗・オフィスの改装、古くなった設備の修理など、さまざまなタイミングでおこなわれています。
ここからは、新築以外で内装工事がおこなわれる主なケースを紹介していきます。
住宅の内装工事をおこなうタイミング
住宅での内装工事は、住んでいる人の生活スタイルや家の状態によって、さまざまなタイミングでおこなわれます。一般的には次のような場合があります。
古くなった家のリフォーム
長年住んでいる住宅を、新築時と同じ状態に戻すためにおこないます。
壁のひび割れや床の傷、湿気でカビが発生するのを防ぐために、内装工事で修理します。塗装をし直したり、壁紙を張り替えたりします。
賃貸物件のリノベーション
賃貸住宅では、入居者が変わるときや、物件の魅力を高めたいときにおこないます。
たとえば、汚れた壁紙を新しくしたり、古くなった設備を新しい機能的なものに交換したり、部屋の配置を変更したりして、入居者がより快適に過ごせるようにします。
売却する前
家を売る前に内装工事をすると、物件の魅力をアップさせて、売却価格を高くすることができます。
古くなった設備や汚れた部分を新しくしておくことで、購入希望者は設備の交換費用を抑えられるため、メリットを感じてもらいやすくなります。
オフィスの内装工事をおこなうタイミング
オフィスの場合、内装工事は働きやすい環境を作ったり、企業のイメージを良くしたりするためにおこなわれます。一般的なタイミングは次のとおりです。
新しいオフィスの開設や移転
新しいオフィスを開設したり、オフィスを移転したときには、業務に合ったレイアウトやデザインを考えて内装工事が行われます。これによって、社員が快適に働ける環境が整い、会社のイメージを反映させることができます。
業務効率向上のための改装
仕事の内容が変わったり、社員が増えたりした場合、オフィスを改装して業務をしやすくすることがあります。
たとえば、会議室を増やしたり、フリーアドレススペースを作ることで、もっと効率的に仕事ができるようにします。
定期的なメンテナンス
長い間使っているオフィスでは、内装や設備が古くなったり汚れたりします。
これを防ぐために、定期的にメンテナンスを行い、壁紙の張り替えや床の修繕、空調設備の更新などがおこなわれます。
企業イメージの向上やブランディング
会社のイメージやブランドを新しくしたいとき、内装を変えることがあります。
これによって社員のやる気を高めたり、取引先に良い印象を与えることができます。
商業施設・店舗の内装工事をおこなうタイミング
商業施設や店舗では、内装工事はお客様にアピールしたり、売上を増やしたりするためにおこなわれます。一般的なタイミングは次のとおりです。
新規開店やリニューアル
新しい店舗が開店する時や、既存の店舗をリニューアルする時には、ターゲットとなるお客様に合ったデザインやレイアウトに変更するために内装工事をおこないます。
これにより、店舗の雰囲気を新しくし、お客様を引き寄せることができます。
ブランドイメージやテーマの変更
ブランドの戦略が変わった時や、新しいキャンペーンに合わせて店舗のデザインを変えることがあります。
これにより、内装工事を通じて店舗のイメージを新しくし、お客様に新しい印象を与えることができます。
設備のアップグレードやメンテナンス
店舗の設備が古くなったり壊れたりした場合、または機能をもっと良くするために内装工事をおこないます。
たとえば、飲食店で厨房の機器を新しくしたり、映画館や劇場で照明・音響設備を改善することがあります。
売上向上を目的とした改装
売上を上げるために、内装を一新することもあります。
店のレイアウトを変えたり、新しいディスプレイを設置したり、商品を見せる方法を工夫して、お客様の購買意欲を高めるために工事がおこなわれます。
公共施設の内装工事をおこなうタイミング
公共施設の内装工事は、利用者が快適で安全に過ごせるように、機能を高めるためにおこなわれます。一般的なタイミングは次のとおりです。
施設の利用ニーズに合わせた改装
施設の使い方や利用者が変わった時に、内装工事をおこなうことがあります。
たとえば、図書館の利用者が増えた時に、閲覧スペースを広げたり、会議室を増やしたりすることがあります。
バリアフリー化や設備の更新
高齢者や障害者のために施設を使いやすくするため、内装を変更することがあります。
たとえば、手すりをつけたり、車椅子でも使えるトイレを作ったりする工事が含まれます。
老朽化した施設の安全対策強化
長い間使われている公共施設では、安全を守るために改修工事を行うことがあります。
たとえば、地震に強くするための耐震工事や、火災対策、配管や電気設備の更新などが必要です。
さいごに
内装工事は、空間をもっと使いやすく、快適にするための大切な一歩です。
自分の生活や仕事にぴったりな環境を作ることで、毎日がもっと快適で効率よく過ごせるようになります。
理想の空間を作り出すために、内装工事を考えてみるのはいかがでしょうか?
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