内装リフォームの費用相場は? 住宅の部位別・オフィスや店舗の坪単価と費用を抑えるコツ

「壁紙を張り替えたいけれど、いくらかかるのか見当がつかない」「オフィスや店舗の内装工事を、坪単価でざっくり見積もりたい」——内装工事の費用は、住宅かオフィス・店舗か、物件がスケルトンか居抜きかによって、考え方そのものが変わります。
相場を知らないまま見積もりを受け取ると、提示された金額が妥当かどうかを判断できません。
この記事では、軽天・ボード工事やクロス工事、床工事を手がけるエスケイが、内装リフォームの費用相場を住宅・オフィス・店舗に分けて紹介します。
目次
内装リフォームの費用相場まとめ
費用の目安を先にまとめると、次の表のとおりです。
| 区分 | 費用の目安 | 費用の決まり方 |
|---|---|---|
| 住宅:壁紙(クロス)張り替え | 5〜10万円(10畳程度) | 張る面積、クロスのグレード、下地の状態 |
| 住宅:フローリング張り替え | 10〜20万円(10畳程度) | 床材の種類、重ね張りか張り替えか |
| 住宅:フルリフォーム | 500万〜2,000万円 | 建物の規模、間取り変更・設備更新の範囲 |
| オフィス | 坪10〜40万円 | 物件の状態、会議室など区画の数 |
| 店舗(スケルトン物件) | 坪30〜80万円 | 業種、設備工事の量 |
| 店舗(居抜き物件) | 坪15〜50万円 | 既存の内装・設備をどこまで使えるか |
住宅は「部位ごとの金額」、オフィス・店舗は「坪単価×坪数」で考えると、見積もりを比べやすくなります。
内装リフォームの種類と費用の考え方
内装リフォーム(内装工事)とは、建物の構造体には手を加えず、壁・床・天井の仕上げや間仕切り、建具、照明などを新しくする工事のことです。同じ内装工事でも、住宅・オフィス・店舗では工事の中身も見積もりの出し方も異なります。
| 用途 | 主な工事 | 費用の出し方 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 住宅・マンション | クロスや床の張り替え、水回りの交換、間取り変更 | 部位ごと(畳数・㎡・設備単位) | 住みながら工事することが多く、職人直営の会社による自社施工や、短い工期でまとめて対応する会社も多くあります |
| オフィス | 間仕切り(パーテーション)の設置、OAフロア、照明・LAN配線、レイアウト変更 | 坪単価×坪数 | 業務を続けながら工事を進める「居ながら施工」や、夜間・休日の施工に対応する会社もあります |
| 店舗・商業施設 | 内装デザイン、厨房・給排水などの設備、造作家具、看板 | 坪単価×坪数 | 飲食店・美容室・物販店など業種ごとに必要な設備が異なり、設計から施工まで一括で請け負う会社が多くあります |
業者を探すときは、目的(住宅・オフィス・店舗)とエリアに合わせて、その分野の施工実績がある会社を選ぶことが大切です。
【住宅・マンション】部位別の内装リフォーム費用相場

住宅の内装リフォームは、部位ごとに費用の目安を押さえておくと予算が立てやすくなります。
以下の表に、一般的なリフォーム内容からフルリフォームまでの費用相場をまとめました。
| リフォーム内容 | 費用相場 | 費用が変わる主な要因 |
|---|---|---|
| 壁紙(クロス)張り替え | 5〜10万円(10畳程度) | 張る面積、クロスのグレード、下地の傷み |
| フローリング張り替え | 10〜20万円(10畳程度) | 床材の種類、重ね張りか張り替えか |
| 間仕切り設置 | 8〜25万円 | 壁をつくるかパーテーションか、面積 |
| 間仕切り撤去(部屋の拡張) | 40〜90万円 | 壁の構造、撤去後の補修範囲 |
| 収納リフォーム | 10〜35万円 | 造作か既製品か、扉の有無 |
| 和室から洋室へのリフォーム | 40〜100万円 | 床・壁・天井・押入れなど変更箇所の数 |
| キッチンリフォーム | 60〜150万円 | 本体のグレード、レイアウト変更の有無 |
| トイレリフォーム | 20〜50万円 | 便器の機能、内装や手洗い器の追加 |
| お風呂・浴室リフォーム | 50〜150万円 | ユニットバスのサイズ・グレード、在来浴室からの変更 |
| 洗面所リフォーム | 20〜50万円 | 洗面台のサイズ・収納、床・壁の張り替え |
| フルリフォーム | 500〜2,000万円 | 建物の規模、間取り変更・設備更新の範囲 |
※上記はあくまで一般的な目安です。建物の状態や使う材料によって金額は前後するため、正確な費用は現地調査のうえで見積もりを取って確認してください。
壁紙(クロス)張り替え
壁紙の張り替えは、部屋の印象を短い工期で変えられる代表的な内装リフォームです。10畳の部屋で5〜10万円程度が目安で、6畳の部屋では6〜7万円前後とする業者もあります。
費用は「張る面積×㎡単価」を基本に、古いクロスの撤去、下地の補修、家具の移動などの作業が加わって決まります。クロスの種類によっても単価が変わり、おもな違いは次のとおりです。
- 量産品クロス:色柄の選択肢は少なめですが、単価が安く、賃貸住宅やオフィスで多く使われます
- 1000番台クロス(ハイグレード):デザインや質感の種類が豊富で、量産品より単価が高くなります
- 機能性クロス:消臭・調湿・汚れ防止・傷に強いなどの機能があり、部屋の使い方に合わせて選べます
フローリング張り替え
フローリングの張り替えは、床を新しくして部屋の雰囲気を変えるリフォームです。10畳の部屋なら10〜20万円程度が一般的な費用です。
床材には、自然な風合いが魅力の無垢材や、価格と耐久性のバランスがよい複合フローリングなどいろいろな種類があります。
施工方法は、既存の床の上に新しい床材を重ねる「重ね張り」と、既存の床をはがしてから張る「張り替え」の2種類です。重ね張りは解体や廃材処分が少ない分、費用と工期を抑えやすくなります。
マンションでは、管理規約で床材の遮音等級(LL-45やΔLL-4など)が決められている場合があります。規約に合わない床材は使えないため、工事前に確認しておきましょう。
間仕切りの設置・撤去

間仕切りの設置は、広い部屋を複数の空間に分けるリフォームで、8〜25万円程度が目安です。方法は大きく2つあります。
- 壁をつくる方法:軽量鉄骨(LGS)の下地に石膏ボードを張って壁を新設します。音を遮りやすく、個室としてのプライバシーを確保できます
- パーテーションを使う方法:可動式や置き型のパーテーションで空間を区切ります。使い方に合わせてレイアウトを変えやすい点がメリットです
反対に、間仕切りを撤去して部屋を広くするリフォームは40〜90万円程度が相場です。
リビングとダイニングをつなげて広い空間にする工事が人気ですが、建物を支える構造壁は撤去できない場合があります。撤去後は床・壁・天井の補修も必要になるため、補修範囲まで含めて見積もりを確認しましょう。
収納リフォーム
収納リフォームは、家族が増えたり物が増えたりしたときに、室内を効率よく整理するためのリフォームです。
クローゼットの新設や壁面収納の追加、階段下スペースの活用など方法はさまざまで、10〜35万円程度が一般的な費用です。
和室から洋室へのリフォーム
和室を洋室にする場合は、畳をフローリングに、襖をドアに変更します。床だけでなく壁や天井の仕上げも変えることが多く、押入れをクローゼットにする工事もよく行われます。
断熱性の向上や照明の変更を同時に行うこともあり、相場は40〜100万円程度です。変更する箇所が多いほど費用は上がります。
水回り(キッチン・トイレ・浴室・洗面所)リフォーム

水回りのリフォーム費用は、設備本体のグレードと、配管の移設をともなうかどうかで大きく変わります。それぞれの相場は次のとおりです。
- キッチン:システムキッチンの交換や収納の増設、レイアウト変更などで60〜150万円程度
- トイレ:便器の交換に加え、壁紙の張り替えや手洗い器の設置などで20〜50万円程度
- お風呂・浴室:ユニットバスへの交換や断熱性の向上などで50〜150万円程度
- 洗面所:収納力の高い洗面台への交換や床・壁の改装などで20〜50万円程度
本体の価格だけで比べず、既存設備の撤去費や配管工事、内装の補修費が見積もりに含まれているかも確認しておきましょう。
フルリフォーム
フルリフォームは、住まい全体を新しくする大規模なリフォームです。内装に加えて設備の更新や断熱性・耐震性の向上を同時に行うことも多く、費用は500〜2,000万円程度が相場です。
戸建てとマンションで費用が変わるポイント
同じ工事内容でも、戸建てとマンションでは費用や進め方に差が出ることがあります。おもな違いは次のとおりです。
- マンション:管理規約で工事できる曜日・時間帯や床材の遮音等級が決まっており、管理組合への届出も必要です。窓サッシや玄関ドアの外側などの共用部分は、個人の判断で工事できません。
また、エレベーターや共用廊下の養生、資材の搬入経路の確保が必要になり、その分の費用がかかる場合があります。 - 戸建て:間取り変更の自由度は高い一方、築年数によっては断熱や耐震の補強が必要になることがあります。
【オフィス・店舗】内装工事の坪単価相場
オフィスや店舗の内装工事は、1坪(約3.3㎡)あたりの工事費である「坪単価」で費用をつかむのが一般的です。総額は「坪単価×坪数」で概算でき、たとえば坪単価40万円で20坪なら800万円がひとつの目安になります。
内装工事全体の坪単価は30〜50万円程度とされることが多いものの、物件の状態と業種によって幅が大きく広がります。
スケルトン物件と居抜き物件の費用相場
スケルトン物件とは、床・壁・天井の仕上げや設備がなく、コンクリートの躯体がむき出しの状態で貸し出される物件のことです。
一方で、居抜き物件とは、前のテナントの内装や設備が残った状態の物件のことです。
| 物件の状態 | 坪単価の目安 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|---|
| スケルトン物件 | 30〜80万円 | レイアウトやデザインを自由に決められる | 内装・設備をすべて新設するため、費用と工期がかかる |
| 居抜き物件 | 15〜50万円 | 既存の内装・設備を活かせば、費用と工期を抑えられる | 前のテナントと業種やイメージが合わないと解体費がかさみ、スケルトン物件と変わらなくなる場合がある |
| 原状回復済みの物件(オフィス) | 10〜40万円 | 壁紙・床・照明がそろっており、部分的な工事で入居できる | こだわった内装にするほど、張り替えや設備変更の費用がかかる |
費用を優先するなら同業種の居抜き物件、デザインの自由度を優先するならスケルトン物件が向いています。オフィス向けの賃貸物件は、前の入居者が退去時に原状回復工事を行っていることが多く、既存の内装をそのまま使えるケースもあります。
業種別の坪単価目安
業種によって必要な設備が異なるため、坪単価にも差が出ます。とくに飲食店は厨房・給排水・排気の工事が加わるため、ほかの業種より高額になりやすい傾向があります。
| 業種 | スケルトン物件 | 居抜き物件 | 費用が上がりやすい要因 |
|---|---|---|---|
| 飲食店 | 70〜120万円 | 30〜60万円 | 厨房設備、給排水・ガス・排気ダクト工事 |
| 美容室・サロン | 60〜100万円 | 30〜50万円 | シャンプー台まわりの給排水、電気容量、専用機器の設置 |
| ジム・フィットネス | 80〜120万円 | 40〜60万円 | 床の防振・防音、シャワー室、空調 |
| アパレル・物販店 | 50〜90万円 | 30〜50万円 | 照明計画、造作什器、フィッティングルーム |
| オフィス | 20〜40万円 | 10〜30万円 | 会議室などの区画数、OAフロア、LAN配線 |
たとえば、同じ飲食店でも、カフェなどの軽飲食とラーメン店・焼肉店などの重飲食では、必要な厨房設備や排気設備の規模が大きく異なり、坪単価にも差が出ます。
内装のグレードや既存設備の状態によっても金額は変わるため、計画している店舗に近い条件で見積もりを取り、具体的な費用を確認しましょう。
坪数別の費用シミュレーション
坪単価をもとに、総額のイメージを計算すると以下のようになります。
| 想定するケース | 坪単価 | 総額の目安 |
|---|---|---|
| オフィス30坪(居抜き・原状回復済み) | 10〜30万円 | 300〜900万円 |
| オフィス30坪(スケルトン) | 20〜40万円 | 600〜1,200万円 |
| 飲食店15坪(居抜き) | 30〜60万円 | 450〜900万円 |
| 飲食店15坪(スケルトン) | 70〜120万円 | 1,050〜1,800万円 |
設計費や厨房機器・家具などの購入費は、内装工事費とは別にかかる場合があります。
開業資金や移転費用の計画を立てる際は、工事費以外の費用も含めて予算を組みましょう。
内装工事費用の内訳|見積書で確認したい項目
内装工事の総額は、大きく分けて次の4つの費用で構成されています。
| 費用の区分 | 主な内容 | 目安・特徴 |
|---|---|---|
| 設計・デザイン費 | 図面やパース、デザイン案の作成 | 総工事費の10〜15%程度 |
| 内装(仕上げ)工事費 | 床・壁・天井の仕上げ、建具、造作家具、塗装 | 素材のグレードと施工面積で変動する |
| 設備工事費 | 電気、ガス、給排水、空調・換気、厨房設備 | 飲食店や美容室では総額に占める割合が大きい |
| その他諸経費 | 現場管理費、廃材処分費、運搬費、駐車場代、各種申請 | 「諸経費」「一式」としてまとめて計上されることが多い |
このほか、家具や什器、厨房機器などの購入費が工事費とは別にかかることもあります。
設計・デザイン費の算出方法は依頼先によって異なり、おもに次の3つの考え方があります。
- 総工事費に対する割合で決める方法(10〜15%程度が一般的)
- 坪単価に坪数をかけて決める方法
- 作業にかかる人件費や技術料から積み上げる方法(特殊な施工やデザインほど高くなる)
設計と施工を一括で請け負う会社に依頼すると、設計費を抑えられる場合があります。
工事項目ごとの内容
見積書には、工事の種類ごとに費用が記載されます。おもな工事項目とその内容を確認しておきましょう。
| 工事項目 | 主な内容 |
|---|---|
| 仮設工事 | 養生、仮囲い、足場の設置 |
| 解体・撤去工事 | 既存の内装・設備の撤去、廃材の処分 |
| 軽鉄(LGS)・ボード工事 | 壁・天井の下地となる骨組みづくり、石膏ボード張り |
| 内装仕上げ工事 | クロス、床材(フローリング・タイルカーペット・長尺シートなど)の施工、塗装 |
| 間仕切り工事 | 壁の新設、パーテーションの設置 |
| 建具工事 | ドア、窓、引き戸などの取り付け |
| 電気・照明工事 | 照明器具の設置、配線、コンセント・スイッチの増設 |
| 空調・換気工事 | エアコンや換気扇の設置、ダクト・配管工事 |
| 通信設備工事 | LAN配線、電話回線、OAフロアの設置 |
| 給排水・ガス工事 | 給水管・排水管、ガス配管の新設や移設 |
| 消防設備工事 | 感知器、スプリンクラー、誘導灯、非常用照明の設置・移設 |
| サイン・看板工事 | 店舗の看板、エントランスの社名・ロゴ表示 |
なかでも軽鉄(LGS)・ボード工事は、壁や天井の仕上がりを左右する下地づくりの工程です。くわしくは「軽鉄・ボード工事」のページで紹介しています。
テナント物件はA工事・B工事・C工事の区分も確認
テナントとして入居する物件では、工事の内容によって費用を負担する人と施工する業者があらかじめ決まっています。この取り決めを工事区分といいます。
| 区分 | 費用負担 | 業者の選定 | 主な対象 |
|---|---|---|---|
| A工事 | ビルオーナー | オーナー側 | 建物の構造、外装、共用部分 |
| B工事 | テナント | オーナーが指定する業者 | 空調、防災設備、分電盤など建物全体に関わる設備の変更 |
| C工事 | テナント | テナントが選ぶ業者 | 内装仕上げ、照明、家具、通信設備 |
B工事は相見積もりが取りにくく、費用が高くなりやすいため、物件を契約する前に工事区分表を確認しておくと安心です。
【エスケイの現場目線】見積もりの差が出やすいのは「下地」と「一式」
内装仕上げの見積もりで差が出やすいのが、クロスや床材の下にある下地の扱いです。古いクロスをはがすと石膏ボードが傷んでいることがあり、ボードの補修や張り替えが後から追加になるケースも少なくありません。
見積書に「内装工事一式」とだけ書かれている場合は、撤去費や下地処理が含まれているかを確認しておくと、工事中の追加費用を防ぎやすくなります。エスケイでは軽天(LGS)・ボード工事から仕上げまでまとめて対応しているため、下地の状態をふまえた内訳でお見積もりをお出しできます。
内装工事の費用を抑える7つのコツ
こだわりを詰め込むほど内装工事の費用は上がりますが、工夫次第でコストは抑えられます。おもな方法は次の7つです。
1. 複数の業者から相見積もりを取る
内装工事の費用は、依頼する業者によって大きく変わります。最低でも3社程度から見積もりを取り、内容を比べることで、適正な価格帯が見えてきます。
比べる際は、同じ図面・仕様・工事範囲で依頼することが大切です。総額だけで決めず、数量や単価、工事内容まで確認しましょう。他社と比べて極端に安い見積もりは、必要な工事が抜けていたり、品質の低い材料が使われていたりする可能性があります。
2. 既存の内装・設備を活かす
物件に残っている内装や設備を活かすと、工事費を大きく減らせます。オフィスや店舗では、空調・照明・電気設備をそのまま使えるかどうかが費用を左右するポイントです。窓やドアなどの建具やパーテーションも、補修すれば再利用できる場合があります。
居抜き物件を選ぶなら、開業したい業種と同じ業種の物件が有利です。ただし設備が古いと入れ替えが必要になるため、劣化の状態や配置の制約もあわせて確認しておきましょう。
3. こだわる場所と抑える場所にメリハリをつける
建材や仕上げ材は、デザイン性や機能性(防音・防汚など)が高いほど高額になります。すべてを高いグレードでそろえるのではなく、人目に触れる場所にはこだわり、目立たない場所はグレードを抑えると、予算を効率よく配分できます。
オフィスならエントランスや応接室、店舗なら客席や入口付近に予算をかけ、倉庫・休憩室・バックヤードは標準的な素材を選ぶのが一般的な考え方です。天井をあえて仕上げずに見せる「スケルトン天井」のように、デザインの工夫で費用を抑える方法もあります。
4. 補助金・助成金を活用する
国や自治体には、内装工事に使える補助金・助成金があります。住宅と事業者向けで対象となる制度が異なり、おもなものは次のとおりです。
- 住宅向け:断熱改修やバリアフリー改修、耐震改修などに使える国・東京都・区市町村の制度があります。詳しくは「国の補助金まとめ」「東京都の助成金・補助金まとめ」で紹介しています
- 事業者向け:小規模事業者持続化補助金は、販路開拓の取り組みにともなう店舗改装などに活用できる場合があります。一般型の補助率は2/3、補助上限は50万円(特例の対象者は上乗せあり)です
多くの制度は、工事の契約や着工前の申請が必要です。着工後は対象外になるケースが多いため、見積もりの段階で申請のタイミングを確認しておきましょう。
5. 分離発注を検討する
分離発注とは、内装工事を一括で依頼するのではなく、内装・電気・設備などの工事をそれぞれの専門業者に直接発注する方法です。元請会社の中間マージンを減らせる可能性がある一方、施主側で工程管理や業者間の調整を行う必要があります。
メリット・デメリットは「分離発注のメリット・デメリット」で詳しく解説しています。エスケイでも分離発注での内装工事のご依頼を承っています。
6. 工事の時期を調整する
建設業界は、年度末の2〜3月が繁忙期になりやすい傾向があります。スケジュールに余裕があれば、こうした時期を避けて発注すると、業者の調整がしやすく費用の相談にも乗ってもらいやすくなります。
オフィス移転や店舗の開業日が決まっている場合は、そこから逆算して早めに業者へ相談しておくことをおすすめします。
7. 家具・備品の自社手配や一部のDIYを取り入れる
家具や什器、照明器具などを自社で探して購入する(施主支給)と、業者の手配費用を抑えられます。ただし、施主支給品は取り付け費が別にかかったり、保証の対象外になったりすることもあるため、事前に業者と取り決めておきましょう。
棚の取り付けなど簡単な作業をDIYで行う方法もあります。仕上がりの質は空間の印象を左右するため、どこまでを自分たちで行うかは業者と相談して決めるのがおすすめです。
内装リフォームの進め方と工期の目安

内装リフォームは、計画から引き渡しまで次の流れで進みます。住宅もオフィス・店舗も、基本の流れは同じです。
1. 目的と希望をまとめる
最初に、どこをどのように変えたいのかを整理します。家族や社内で話し合い、「リビングを広くしたい」「会議室を増やしたい」などの希望をリストアップしましょう。
オフィスなら目指す働き方、店舗なら業種や客層に合った世界観をコンセプトとして固めておくと、統一感のある仕上がりになります。参考になる写真や資料を集めておけば、業者にイメージを伝えやすくなります。
2. 予算を決める
次に、内装リフォームにかけられる予算を決めます。あらかじめ相場を調べておくと、無理のない金額を設定できます。現金で支払うのか、ローンや融資を使うのかもこの段階で検討しましょう。
3. 業者を選び、見積もりを取る
予算が決まったら、複数の業者に現地調査と見積もりを依頼します。見積書には工事内容や材料、工期などの詳細が記載されるため、内容と金額をしっかり比べてください。
4. 契約と工事の準備
依頼先が決まったら契約を結びます。契約書には工事内容、費用、工期、支払い条件が記載されるので、見積もりの内容と食い違いがないか確認しましょう。
契約後は、近隣へのあいさつや、家具・床を傷つけないための養生を行います。マンションでは管理組合への届出、飲食店では保健所への事前相談など、建物や業種に応じた手続きも必要です。
5. 工事の開始
工事は、解体・撤去から始まり、配線・配管の変更、下地づくり、仕上げの順で進みます。工事中も進み具合を定期的に確認し、気になる点があれば早めに業者と話し合いましょう。
6. 完了検査と引き渡し
工事が終わったら、発注した内容どおりに仕上がっているかを施主検査で確認します。問題がなければ引き渡しとなり、オフィスや店舗では家具・什器の搬入に進みます。引き渡し後に不具合が見つかった場合の連絡先や、保証の範囲も確認しておきましょう。
工期の目安
工期は工事の規模によって大きく異なります。一般的な目安は次のとおりです。
| 工事の内容 | 工期の目安 |
|---|---|
| 1部屋のクロス張り替え | 1〜2日程度 |
| オフィス・店舗の内装工事 | 1〜2か月程度 |
| 大規模な新装工事 | 半年程度かかる場合もある |
| オフィス移転の計画全体(プランニングから工事完了まで) | 2〜4か月程度 |
オフィスの賃貸借契約では、解約予告を退去の6か月前までにすることがあります。移転をともなう場合は、工事期間だけでなく解約予告の時期も含めてスケジュールを組みましょう。
内装をリフォームするタイミング
内装リフォームを行う時期に迷う方も多いですが、次のような場面は検討のきっかけになります。
築年数・使用年数の節目
築10年、15年、20年といった節目は、設備や内装が劣化し始める目安とされています。築10年を過ぎると水回りの設備に不具合が出やすくなり、築20年を超えると全体の老朽化が進み、間取りの変更を含む大規模なリフォームが必要になることも少なくありません。
壁紙や床材は10年を目安に交換を考えるのが一般的です。畳の場合は3〜5年での表替えが推奨されています。
家族構成や従業員数の変化
建物の使い方が変わるときも、リフォームを考える大きな理由になります。住宅なら子どもの誕生や独立、親との同居、オフィスなら従業員の増加や部署の再編などが代表的です。子ども部屋や会議室をつくるための間仕切りの設置、バリアフリー化などがよく行われます。
設備の故障や劣化
水回り(キッチン・浴室・トイレ)や電気設備は、使用頻度が高く劣化が早い部分です。給湯器の故障やトイレの水漏れなど機能的な問題が出たときは、早めの対処が欠かせません。不具合を放置すると、被害が広がって修繕費が高くなることがあります。
働き方・ライフスタイルの変化
リモートワークの広がりにともない、在宅勤務用のスペースをつくるリフォームが増えています。
オフィスでも、フリーアドレス化やWeb会議用の個室ブースの設置など、働き方に合わせたレイアウト変更が進んでいます。
省エネを意識した照明や空調への更新も、時代の変化に合わせたリフォームのひとつです。
定期的なメンテナンス
内装は日常的に使われるため、汚れや傷みがたまりやすい部分です。定期的にメンテナンスを行うことで建物の寿命を延ばし、快適な環境を保てます。劣化を放置すると大規模な修繕が必要になることもあるため、早めの対処を心がけましょう。
内装リフォームで失敗しないための注意点と業者選び
ここでは、内装リフォームを検討している方に知っておいていただきたいポイントを紹介します。
予算には予備費を含めておく
内装リフォームでは、解体してみて初めてわかる下地の傷みや、資材価格の変動によって費用が増えることがあります。予算には予備費も含めておくと、追加工事が発生しても慌てずに済みます。
予算を決めるときは、次の順で考えると整理しやすくなります。
- リフォームの目的と範囲を明確にする
- 無理のない予算の上限を決める
- 工事内容に合った費用相場を調べる
- 使える補助金・助成金を調べて予算に組み込む
- 複数の業者に見積もりを依頼し、範囲と予算を調整する
信頼できる業者を選ぶ
内装リフォームの仕上がりは、業者選びで大きく変わります。依頼先を選ぶ際は、次の点を確認しましょう。
- 施工実績:住宅・オフィス・店舗など、依頼したい用途の実績が豊富か
- 提案力:要望をふまえ、予算内で収めるための代替案を出してくれるか
- やりとりのしやすさ:質問への回答が丁寧で、連絡がスムーズか
- 建設業許可:請負金額500万円以上(税込、建築一式工事以外)の工事には建設業許可が必要です。許可の有無は会社の信頼性を測るひとつの指標になります
- アフターサービス:工事後の点検や不具合への対応体制が整っているか
インターネットでの口コミや評価、知人からの紹介も参考になります。
見積書は総額だけでなく中身を比べる
見積書を比べるときは、金額の安さだけで判断しないことが大切です。とくに次の点をチェックしましょう。
- 項目の具体性:「〇〇工事 〇㎡ 単価〇円」のように、数量と単価が具体的に記載されているか
- 前提条件の統一:各社の見積もりが同じ図面・仕様・工事範囲に基づいているか
- 「一式」や「諸経費」の内訳:どのような費用が含まれているか、説明を受けられるか
- 価格の妥当性:極端に安い金額になっていないか、その理由が明確か
「一式」とまとめられた項目が多い見積書は、工事内容や費用の内訳がわかりにくいため、契約前に詳細を確認しておきましょう。
法令や管理規約を確認する
内装工事には、建物の安全を守るための法令やルールが関わります。おもなものは次のとおりです。
- 建築基準法:火気を使う部屋や一定の用途・規模の建物では、壁や天井に燃えにくい材料を使う「内装制限」があります
- 消防法:間仕切りで部屋を増やすと、感知器の増設や避難経路の確保が必要になる場合があります
- マンションの管理規約・ビルの館内規則:工事できる時間帯や使える材料、届出の手続きが決められています
希望するデザインやレイアウトが法令上難しいケースもあるため、関係する法令に詳しい業者を選ぶと安心です。
気になる点は事前に相談し、工事後のメンテナンスも確認する
リフォームした内装は長く使うものです。デザインや色、機能について細かい要望や不安を事前に相談しておくことで、満足度の高い仕上がりにつながります。工事中に起こりうる問題についても、あらかじめ話し合っておくと工事がスムーズに進みます。
工事が終わった後も、普段の掃除や点検は欠かせません。とくに水回りや床材は汚れや劣化が進みやすいため、定期的に清掃し、必要に応じて補修することが大切です。
業者によっては定期点検などのアフターサービスを用意しているので、契約前に確認しておきましょう。
【エスケイの現場目線】間仕切りを増やすときは設備費も見込んでおく
オフィスで会議室や個室を増やす場合、壁をつくる費用だけでなく、照明・コンセント・空調の追加や、火災感知器の増設・移設が必要になることがあります。とくに消防設備や空調は、ビルが指定する業者が施工するB工事になるケースも多いため、注意が必要です。
見積もり後の予算のずれを防ぐには、間仕切りの計画段階で管理会社に工事区分を確認しておくことが大切です。エスケイでは、間仕切り工事の計画段階からご相談を承っています。
内装リフォームの費用に関するよくある質問
6畳の部屋の壁紙を張り替えると、費用はいくらかかりますか?
量産品のクロスで張り替える場合、6〜7万円前後がひとつの目安です。
10畳の部屋では5〜10万円程度が相場です。古いクロスの撤去や下地の補修、家具の移動が必要かどうかで金額は変わります。
内装工事の坪単価の相場はいくらですか?
内装工事全体では坪30〜50万円程度が一般的な目安です。
物件の状態別では、スケルトン物件で坪30〜80万円、居抜き物件で坪15〜50万円が相場とされています。
オフィスの内装工事費用の目安を教えてください。
オフィスの内装工事は坪10〜40万円程度が目安です。
30坪のオフィスなら、300〜1,200万円程度が想定されます。原状回復済みの物件や居抜き物件で既存の内装・設備を活かせれば、費用を抑えやすくなります。
飲食店の内装工事費用が高くなりやすいのはなぜですか?
厨房設備や給排水・ガス・排気ダクトなどの設備工事が必要になるためです。
スケルトン物件では坪70〜120万円程度とされ、ほかの業種より高額になる傾向があります。同業種の居抜き物件を選ぶと、既存の厨房設備を活かして費用を抑えられる場合があります。
内装工事の工期はどのくらいですか?
1部屋のクロス張り替えなら1〜2日程度、オフィスや店舗の内装工事は1〜2か月程度が一般的です。大規模な工事では半年程度かかることもあります。
見積もりは何社から取ればよいですか?
3社程度から取るのが一般的です。
同じ図面・仕様・工事範囲で依頼し、総額だけでなく数量や単価、「一式」の中身まで比べると、適正な価格を判断しやすくなります。
内装工事に使える補助金はありますか?
住宅では、断熱やバリアフリー、耐震の改修に使える国・東京都・区市町村の補助金・助成金があります。
店舗などの事業者は、小規模事業者持続化補助金を店舗改装に活用できる場合があります。多くの制度は着工前の申請が必要です。
さいごに
内装リフォーム(内装工事)の費用相場は、住宅かオフィス・店舗か、物件がどのような状態かによって大きく変わります。この記事のポイントを振り返ると、次のとおりです。
- 住宅は部位ごとに考える。10畳の壁紙張り替えは5〜10万円、フローリング張り替えは10〜20万円が目安
- オフィス・店舗は「坪単価×坪数」で概算する。スケルトン物件は坪30〜80万円、居抜き物件は坪15〜50万円が目安
- 見積書は総額だけでなく、内訳・数量・単価、「一式」の中身まで比べる
- 相見積もり、既存設備の活用、グレードのメリハリ、補助金の活用で費用を抑えられる
費用や計画を把握したうえで、信頼できる業者と相談しながら進めることが、納得のいく内装リフォームへの近道です。
エスケイでは、東京23区・多摩地域を中心に、住宅・オフィス・店舗の内装工事を承っています。軽天・ボード工事やクロス・床の張り替え、間仕切り工事など、内装工事の費用や工事範囲でお悩みの際は、お気軽にお問い合わせください。



















