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更新日時:2026年4月15日

軽鉄(LGS)工事とは? 見えない骨組みが建物の品質を決める理由

軽鉄工事とは アイキャッチ画像

店舗やオフィスの内装が完成すると、壁も天井もきれいに仕上がり、中に何があるかは見えなくなります。 ですが実は、その見えない部分に、建物の品質を左右する重要な工程が隠れています。
それが「軽鉄(LGS)下地工事」です。

この記事では、軽鉄工事がどんな工事なのか、なぜ品質に差が出るのか、そして発注者が知っておくと役に立つポイントを、現場の視点からくわしく解説します。

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軽鉄(LGS)工事の基礎知識

LGSとはどんな素材?

LGSとは「Light Gauge Steel(ライト・ゲージ・スティール)」の略で、日本語では「軽量鉄骨(正式には軽量形鋼)」とも呼ばれます。
厚さ0.5mm〜1.6mmほどの薄い鋼板をロール成形した部材で、木材と比べて軽く、それでいて寸法が安定しており、反りや収縮がほとんど起きないのが特長です。

建築現場では「軽天(けいてん)」と呼ばれることもあります。これは、天井の骨組みに使うことがおおかったことに由来します。
現在は壁・間仕切り・天井のいずれにも使われるため、「軽鉄工事」「LGS工事」という呼び方が一般的になっています。

LGSが使われるのはどの部分?

LGSが使われるのは、おもに「下地」と呼ばれる部分です。仕上げ材(クロス・塗装・タイルなど)を貼るための受け皿として、壁や天井の内側に組まれます。
 

  • 壁・間仕切りの骨組み(スタッドとランナーを組み合わせる)
  • 天井の骨組み(野縁受け・野縁を組み合わせる)
  • 開口部(ドア・窓)まわりの補強
  • 設備配管や電気配線を通すための空間の確保


仕上げが完成すると外からは見えなくなる部分です。ですが、この骨組みの精度が、そのまま最終的な内装の品質に直結する重要な要素になります。

軽鉄(LGS)工事の施工手順

ここからは、天井・壁それぞれの施工ステップを説明します。
仕様に特別な指定がない一般的な間仕切り壁では、先に天井下地を組み、その後に壁の下地を施工する流れが標準的です。

天井下地の施工手順

① 墨出し・レベル出し

レーザー墨出し器を使い、仕上がり天井面の高さ(レベル)を壁面に書き出します。
この基準が狂うと天井全体が傾いてしまうため、最初の精度が全体を左右する重要なステップです。
また、設備図面と照らし合わせながら、ダクト・照明器具・スプリンクラーの位置も同時に確認します。

② 吊りボルト・ハンガー取り付け

上部のコンクリートスラブにアンカーを打ち込み、吊りボルトを垂らします。
先端にはハンガーを取り付け、ここで天井の最終高さを微調整します。
打ち込みが不十分だと、荷重がかかったときに脱落するおそれがあります。そのため、アンカーがしっかり固定されているかの確認は欠かせません。

③ 野縁受け・野縁の組み付け

ハンガーに野縁受け(のぶちうけ)を渡し、その下に野縁(のぶち)を格子状に組んでいきます。
野縁のピッチは一般的に303mmまたは455mmで、ボードの継ぎ目が野縁の上にくるように設定します。
すべての野縁を組み終えたら、もう一度レベルを確認し、高さをそろえます。

④ 照明・設備開口の補強

天井に埋め込む照明器具(ダウンライト・ベースライト)や点検口、空調吹出口などの位置には、野縁を切り欠いて開口を設けます。そのため、開口まわりには補強野縁を組み、強度を確保します。
補強が不十分だと、器具の重みで時間の経過とともに天井がたわんだり、器具まわりにひび割れが発生したりする原因になります。
また、照明や設備の位置は、電気・設備工事業者と事前に確認しておくことが大切です。

壁・間仕切り下地の施工手順

① 墨出し

レーザー墨出し器や下げ振りを使い、壁・間仕切りの位置と垂直の基準線を床・天井下地(またはスラブ)に書き出します。
現場では「墨が命」と言われるほど、ここの精度が後工程すべてに影響する重要な工程です。

① 墨出し

レーザー墨出し器や下げ振りを使い、壁・間仕切りの位置と垂直の基準線を床・天井下地(またはスラブ)に書き出します。現場では「墨が命」と言われるほど、ここの精度が後工程すべてに影響する重要な工程です。

② ランナー取り付け

ランナーとは、スタッド(縦材)を差し込むための溝型のレールです。床と天井側(スラブまたは天井下地)に、アンカーや打ち込みピンで固定します。
コンクリート面に凹凸(不陸)がある場合は、モルタルで補正します。
また、コンクリートとの直接接触による振動音を抑えるため、ランナーの下にゴム系の防振テープを挟むのが基本です。
見えない処理ですが、騒音クレームを防ぐうえで効果があります。

③ スタッド建て・振れ止め

スタッドをランナーの溝に差し込んで建てていきます。一般的な間仕切り壁では、ボード1枚張りは300mm、2枚張りは450mmのピッチが標準です。
ボード幅(910mm)の継ぎ目がスタッドの上にくるよう、計算して配置します。
また、スタッドの高さが一定以上になる場合は、横方向に「振れ止め」を通してぐらつきを防ぎます。
ボード幅(910mm)の継ぎ目がスタッドの上にくるよう配置できたら、スタッド建ては完了です。

④ 開口補強・重量物補強

通常のスタッドだけでは強度が足りない所には、追加の補強材を組み込みます。おもな対象は次のとおりです。
 

  • ドア・窓開口部:縦枠にダブルスタッド(2本重ね)、上部に「まぐさ」(水平補強材)を入れる
  • 棚・TVモニター・手すりなど重量物の取り付け予定か所:胴縁や補強スタッドを追加
  • 壁付き照明・スイッチボックス・コンセント類:器具の重みや繰り返しの操作に対応する補強スタッドを追加
  • 大型ダクトや配管が壁を貫通する部分:貫通まわりに補強を組み、開口強度を確保する


開口補強が不十分だと、ドアの開閉不良や器具まわりのボードのひび割れにつながります。
「どこに何が付くか」を設備・電気図面と突き合わせて事前に確認することが、手戻りを防ぐ現場管理の基本です。

軽鉄(LGS)工事の品質を左右するポイント

軽鉄の骨組みは、完成するとすべて壁や天井の中に隠れてしまいます。そのため、仕上がりを見ただけでは良し悪しを判断しにくい工程です。
ですが、下地の丁寧さは、入居後の使い心地に表れてきます。
ここでは、どんなところに差が出るのかを具体的に説明します。

① 壁が「まっすぐ」かどうかが、見た目の上質感を左右する

壁がわずかに傾いていたり、表面が波打っていたりすると、クロスを貼ったあとでも光の当たり方によって凹凸が目立つことがあります。とくに窓から自然光が差し込む場所では、仕上がりの粗さが目につきやすくなります。

「きれいに見える壁」の土台になるのは、骨組みの段階で垂直・水平をしっかり出しておくことです。
エスケイでは、墨出し後に目視でも垂直を確認し、ミリ単位の精度で骨組みを組んでいます。

② 「音」の問題は、骨組みの段階でほぼ決まる

「隣の部屋の話し声が聞こえる」「外の音がうるさい」といった遮音の問題は、壁の中に防音処理がされているかどうかで大きく変わります。

壁や天井の骨組みの内側にグラスウール(断熱・吸音材)を充填したり、金属が直接コンクリートに触れないよう防振テープを挟んだりする処理が、完成後の静かさを左右します。
いずれも壁を閉じてしまえば見えなくなる部分です。そのため、最初の段階で仕様をきちんと決めておくことが重要です。

③ ドアがスムーズに開閉できるかどうかも、骨組み次第

ドアの開閉がしにくい、隙間ができているといったトラブルは、ドア自体の問題ではなく、骨組みの精度が原因になっていることも少なくありません。

ドアが取り付く開口部は、骨組みの段階で寸法を正確に確保し、変形しにくいよう補強しておく必要があります。
ここが雑だと、引き渡し後しばらくしてドアが重くなったり、枠との間に隙間が生じたりします。

④ 棚や器具をあとから取り付けられるかどうか

「壁に棚をつけたい」「大きなモニターを壁掛けにしたい」といったご要望は、骨組みの段階で補強を入れておかないと、あとからの対応が難しくなります。

軽鉄の骨組みだけでは重量物を支えられないため、取り付け予定の場所に合わせて補強材をあらかじめ組み込んでおくのが正しい手順です。
「あとでなんとかなる」と思っていると、壁を開けて補強し直す大がかりな工事になることもあります。 ご要望は、施工前にお伝えいただくのがベストです。

下地が原因のトラブル事例

軽鉄下地の施工不良は、引き渡し直後ではなく、数か月〜数年後に症状として現れることがおおいです。
「これって工事の問題?」と思ったときには、すでに壁の中を確認できない状態になっていることもあります。
気になる症状がないか、次の一覧でチェックしてみてください。

壁・天井の見た目

症状考えられる原因
斜めから光が当たると、壁や天井の表面が波打って見えるスタッドの垂直がずれていた/ピッチが広すぎた
クロスを張り替えるたびに凹凸が目立つようになってきた下地の歪みが仕上げ材に出やすくなっている
天井からきしみ音がする吊りボルトの本数不足、野縁のレベルが不ぞろい
埋め込み照明のふちにひびが入ってきた開口部まわりの補強野縁が不足していた

ドアの開閉

症状考えられる原因
引き渡しから半年〜1年ほどでドアが重くなった開口補強(ダブルスタッド・まぐさ)が不十分で、枠が変形している
ドアと枠の間に隙間ができてきた同上。建具を調整しても骨組みが原因の場合は再発する
引き戸の滑りが悪くなった開口まわりのゆがみが建具のレールに影響している

音・遮音

症状考えられる原因
入居当初より隣室や外の音が気になるようになった防振テープ・グラスウール充填が省略されていた可能性がある
特定の部屋だけ音が筒抜けに感じる壁が天井裏まで塞がれておらず、上部から音が回り込んでいる

いずれの症状も、原因となった下地はすでに壁の中に閉じ込められています。
あとから直すには、壁を開ける大がかりな工事が必要です。そのため、最初に依頼する業者選びが重要になります。
「施工写真を残しているか」「見積書に防音・補強の仕様が明記されているか」を事前に確認しておくことが、こうしたトラブルを防ぐうえで大切です。

さいごに

軽鉄工事は、完成した内装からは一切見えません。だからこそ、丁寧にやっても雑にやっても、見た目ではなかなか区別がつきにくい工程です。
ですが、その差は必ずあとから出てきます。壁の波打ち、ドアの不具合、音の問題など、いずれも骨組みの段階で手を抜かなければ防げるトラブルです。

東京都内の店舗・オフィス・住宅の内装工事をお考えなら、荒川区を拠点に東京23区・多摩地区全域で施工実績を持つ「株式会社エスケイ」にご相談ください。
軽鉄・ボード工事をベテラン職人が一貫して担当し、見えない部分の品質にこだわった施工を行っています。

「どんな工事が必要かまだよくわからない」という段階でも、現場の状況に合わせてわかりやすく説明いたします。まずはお気軽にお問い合わせください。

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